概要
- 講座: 共通テスト対策
- 科目: 共通テスト国語
- 章: 現代文
- 目安: 20分
- 前提: なし
- 次: ME-JA-02
今日のゴール
評論文で「筆者の主張」と「根拠」を区別して抜き出し、選択肢を本文の記述だけで判定できる
受験での位置づけ
共通テスト現代文は読解力より処理速度と根拠の特定精度で差がつく。文章の内容を深く味わう必要はなく、「どこに書いてあるか」を指差せれば正答できる設計になっている。医学部志望者にとっては、二次に進むための足切り回避が目的なので、確実に取れる型を作って時間を理系科目に回すのが正しい投資判断。
共通テスト攻略の方針
選択肢は本文の言い換えでできている。したがって判定基準はただ一つ、「本文に書いてあるか」。もっともらしくても本文にない価値判断・因果・程度が入っていれば、それは誤答。自分の常識で判断しないことが最大の得点源になる。
前提チェック
- 入口単元(ここから開始してよい)
この回のポイント
- 主張は結論部・くり返し・逆接の後に出やすい
- 根拠は具体例・データ・因果の説明として主張の周りに配置される
- 接続語は論理の道しるべ(「しかし」=主張側へ、「たとえば」=根拠側へ、「つまり」=主張の言い換え)
- 具体例そのものは主張ではない。具体例は主張を支える材料
- 選択肢の誤りは「言い過ぎ」「本文にない因果」「主客の入れ替え」の3パターンが大半
定義・用語
主張
筆者が読者に受け入れてほしい中心命題。「〜べきだ」「〜ではないか」「〜と言える」などの形をとりやすい。感想や一般論と区別すること。一般論(「よく言われるように〜」)は、多くの場合その後に逆接で否定されるための前振りである。
根拠
主張を支えるために示される材料。具体例・実験データ・統計・因果の説明などが該当する。根拠は単独では設問の答えにならないが、「なぜそう言えるのか」を問う設問では根拠側を答える。設問が主張を聞いているのか根拠を聞いているのかの見極めが先。
核となる手順(試験でそのまま使う)
- 設問を先に読む。何を探すかを決めてから本文に入る
- 各段落の役割を一文字でラベルする(導=導入/例=具体例/主=主張/結=結論)
- 接続語に印をつける(特に逆接「しかし」「だが」「ところが」)
- 主張候補を一文で書き出し、それを支える根拠段落を指で押さえる
- 選択肢を本文の記述と1対1で照合する。照合できない語が1つでもあれば切る
例題A(標準・型の確認)
ある評論文で、第4段落の末尾に「したがって、我々はこの技術の導入を急ぐべきではない」とあり、第3段落には導入国での事故件数の推移を示す実験データが置かれている。主張と根拠はそれぞれどれか。また、この判定の根拠となる手がかりを挙げよ。
解答A
- 主張 第4段落末の「この技術の導入を急ぐべきではない」。
- 根拠 第3段落の事故件数のデータ。
- 判定の手がかり1:文末表現 「〜べきではない」は筆者の価値判断を示す形。データは価値判断を含まないため、主張になり得ない。事故件数が増えているという事実だけでは「急ぐべきでない」は導かれず、そこに筆者の判断が加わって初めて主張になる。
- 判定の手がかり2:接続語「したがって」 これは直前までの内容を受けて結論を導く合図。つまり「したがって」の前が根拠、後が主張という配置が確定する。
- 判定の手がかり3:位置 主張は段落末・文章末に置かれやすい。データや具体例は主張より前に置かれ、主張を準備する。
- 設問への対応 「筆者の主張として最も適当なものを選べ」なら第4段落末を言い換えた選択肢を選ぶ。「筆者がそう述べる理由として適当なものを選べ」なら第3段落のデータを言い換えた選択肢を選ぶ。同じ文章でも設問によって答える場所が変わる点に注意。
- 答え 主張=第4段落末「導入を急ぐべきではない」/根拠=第3段落の事故件数データ。手がかりは文末の価値判断表現と接続語「したがって」の位置。
例題B(共通テスト型・やや実戦)
評論文で「しかし」の後に筆者の立場が来るのはなぜか。この構造を利用した読み方を述べよ。
解答B
- 構造の説明 評論文の典型的な展開は次の形をとる。
$$一般論・通説 \;\rightarrow\; 「しかし」 \;\rightarrow\; 筆者の主張$$
- 筆者はまず「世間ではこう言われている」という通説を提示する。これは否定するために置かれた前振りであり、筆者の考えではない。そこに逆接を挟んで自分の立場を出す。逆接は立場が切り替わる合図なので、その後が本論・主張側になる。
- なぜこの構造を使うのか いきなり主張を出すより、読者が持っている前提をいったん共有してから覆す方が説得力が出るため。評論文の書き方として定着している。
- 読み方への応用
- 逆接の接続語にはすべて印をつける。時間がないときは逆接の後だけ拾えば主張に当たる確率が高い。
- 逆接の前にある内容は、選択肢に出てきても筆者の考えではない。ここが最頻出のひっかけ。「よく言われるように〜」「たしかに〜」の後の内容を筆者の主張として選ばせる選択肢が必ず用意されている。
- 「たしかに〜。しかし〜」という譲歩構文も同型。「たしかに」の中身は筆者が譲った部分であって主張ではない。
- 答え 通説を提示してから逆接で覆すのが評論の典型構造であるため、逆接の後が主張側になる。逆接の前の内容は筆者の考えではない点がひっかけになる。
演習(自力で再現)
$(1)$ 主張を探すとき、最初に見るべき3か所を挙げよ。
$(2)$ 選択肢が誤りになる典型パターンを3つ挙げ、それぞれ具体例を示せ。
解答
- $(1)$ ① 結論段落(文章末) ② くり返し現れる表現 ③ 逆接の直後
- ①は主張が置かれる定位置。②は筆者が重要だと考えている証拠(同じ内容を言葉を変えて何度も書く)。③は立場の切り替わり点。
- この3か所を先に見れば、全文を精読しなくても主張候補が絞れる。時間との勝負である共通テストではこの順序が効く。
- $(2)$
- ① 言い過ぎ(程度のすり替え) 本文「〜の場合もある」→ 選択肢「〜は常に〜である」。「すべて」「必ず」「決して」などの強い語が入ったら本文を確認する。
- ② 本文にない因果 本文には A と B が並べて書いてあるだけなのに、選択肢が「A によって B が生じる」と因果に変えている。並列を因果にすり替えるのが定番。
- ③ 主客の入れ替え 本文「A が B に影響を与える」→ 選択肢「B が A に影響を与える」。急いで読むと見落とす。
- いずれももっともらしく読めるが本文に書いていないという共通点を持つ。判定基準は内容の妥当性ではなく、本文との一致だけ。
- 答え $(1)$ 結論段落・くり返し・逆接の直後 $(2)$ 言い過ぎ/本文にない因果/主客の入れ替え
落とし穴(減点・ひっかけパターン)
- 自分の感想や常識を主張と取り違える 「常識的に考えて正しい」選択肢が誤答であることは普通にある。判定は本文との照合のみ
- 具体例だけ読んで全体を決めつける 具体例は主張を支える材料であって主張ではない。例の中の一文を主張として選ばせる選択肢が典型的なひっかけ
- 逆接の前を筆者の考えとして選ぶ 「たしかに〜」「よく言われるように〜」の後は譲歩・通説。筆者の立場ではない
- 設問が主張を聞いているのか根拠を聞いているのかを確認しない 同じ文章でも答える場所が変わる。設問を先に読む理由がこれ
- 選択肢を先に読んで印象で選ぶ 選択肢は本文の言い換えで作られているため、印象では切れない。必ず本文の該当箇所を指差してから判定する
到達チェック(完璧の条件)
- ゴールを何も見ずに言える
- 主張と根拠を、文末表現・接続語・位置の3つの手がかりで区別できる
- 「たしかに〜。しかし〜」の構造で、どちらが筆者の立場かを即答できる
- 選択肢の誤りパターンを3つ挙げ、それぞれ例を作れる
- 確認クイズで合格点(4/5以上)
次へ
次は ME-JA-02。本単元の到達チェックをすべて満たしてから進む。
---
© Medvance · 無断転載禁止