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高校物理(受験)

無料公開動画・PDF・音声あり16力学の基礎

ME-PH-01 · 物理量・単位・有効数字

単位換算を機械的に実行でき、次元で式の正しさを検算し、有効数字を正しい桁で答えられる

STEP 1

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このPartのポイント

到達ゴール

単位換算を機械的に実行でき、次元で式の正しさを検算し、有効数字を正しい桁で答えられる

上のゴールを意識して、動画・教材PDFで手順を再現してください。

目安 16分 · 章: 力学の基礎

STEP 6

物理量・単位・有効数字

授業後に解いて、前提の穴を確認してください。解答は開いて確認できます。

  1. $72\ \mathrm{km/h}$ を $\mathrm{m/s}$ に直せ。

    解答を見る

    $20\ \mathrm{m/s}$ — $72\times\dfrac{1000}{3600}=72\div 3.6=20$。約分後に残る単位が $\mathrm{m/s}$ であることを確認すれば換算の向きも検算できる。

  2. $\mathrm{km/h}$ を $\mathrm{m/s}$ に直すとき $3.6$ で割る。この $3.6$ はどこから出るか説明せよ。

    解答を見る

    時間の換算数 $3600$ を長さの換算数 $1000$ で割った値、すなわち $3.6=3600/1000$。 — 毎回この分数から導けるようにしておけば、逆向きの換算($3.6$ を掛ける)でも迷わない。

  3. 縦 $2.5\ \mathrm{cm}$、横 $4.20\ \mathrm{cm}$ の長方形の面積を、有効数字を考えて答えよ。

    解答を見る

    $11\ \mathrm{cm^2}$ — $2.5\times 4.20=10.5$ だが、掛け算は桁数の少ない方に合わせる。$2.5$ が2桁なので答えも2桁にして $11$。

  4. $12.3\ \mathrm{cm}+4.567\ \mathrm{cm}$ を有効数字を考えて答えよ。

    解答を見る

    $16.9\ \mathrm{cm}$ — 和は $16.867$。加減は桁数ではなく位で合わせるため、粗い方の小数第1位に丸めて $16.9$。ここを「2桁だから $17$」とするのが典型的な誤り。

  5. 単振動の周期 $T=2\pi\sqrt{m/k}$ において、根号の中身 $m/k$ の単位はどれか。

    • A.$\mathrm{s^2}$
    • B.$\mathrm{s}$
    • C.$\mathrm{s^{-1}}$
    • D.$\mathrm{kg\cdot s}$
    解答を見る

    $\mathrm{s^2}$ — $[k]=\mathrm{kg/s^2}$ なので $[m]/[k]=\mathrm{kg}\div(\mathrm{kg/s^2})=\mathrm{s^2}$。平方根をとると $\mathrm{s}$ となり周期の単位に一致する。式をうろ覚えでも次元で検算できる。

STEP 7

授業本文

ME-PH-01 物理量・単位・有効数字

  • ブランド: Medvance(医学部・難関大受験)
  • 講座: 基礎講座
  • 科目: 高校物理(受験)
  • 章: 力学の基礎
  • 目安: 16分
  • 前提: なし
  • 次: ME-PH-02

今日のゴール

単位換算を機械的に実行でき、次元で式の正しさを検算し、有効数字を正しい桁で答えられる

受験での位置づけ

物理の失点の相当数は「物理が分からない」ではなく「単位を揃え忘れた」「桁を勝手に増やした」で起きる。ここは知識ではなく作業手順の単元であり、力学から電磁気まで全分野の計算にそのまま効く。

攻略の方針

次元解析は答案に書かなくても、検算として必ず頭の中で回す。導いた式の両辺の単位が合わなければ、その時点で式が間違っている。試験中に自力でミスを発見できる、ほぼ唯一の道具。

前提チェック

  • 入口単元(ここから開始してよい)

この回のポイント

  • SI基本単位は 長さ $\mathrm{m}$・質量 $\mathrm{kg}$・時間 $\mathrm{s}$(力学ではこの3つで足りる)
  • 組立単位は基本単位の積・商に必ず分解できる(例:$\mathrm{N}=\mathrm{kg\cdot m/s^2}$)
  • 単位換算は「$1$ に等しい分数」を掛けて約分する操作にすぎない
  • 有効数字は掛け算・割り算では最も桁数の少ない値に合わせる
  • 足し算・引き算は桁数ではなく小数点以下の位で合わせる(規則が違う)

定義・用語

次元

物理量の種類を、長さ $\mathrm{L}$・質量 $\mathrm{M}$・時間 $\mathrm{T}$ の組み合わせで表したもの。速度の次元は $\mathrm{LT^{-1}}$、力の次元は $\mathrm{MLT^{-2}}$。次元の異なる量は足し引きできないため、式の両辺・各項の次元が一致するかを見れば誤りを検出できる。

有効数字

測定値のうち意味を持つ桁。$0.0120\ \mathrm{m}$ の先頭の $0$ は位取りにすぎず、有効数字は $1,2,0$ の3桁。末尾の $0$ は「そこまで測った」という主張なので落としてはいけない。

核となる手順(答案でこの順)

  1. 与えられた量に単位を付けて書き出す
  2. 換算の分数($\frac{1000\ \mathrm{m}}{1\ \mathrm{km}}$ など)を掛け、消したい単位を約分する
  3. 計算し、答えの単位が求められている単位になっているか確認する
  4. 有効数字を、掛け割りなら最少桁数・加減なら最も粗い位に合わせて丸める

例題A(標準・型の確認)

速度 $36\ \mathrm{km/h}$ を $\mathrm{m/s}$ に直せ。また、換算係数 $3.6$ がどこから出るかを説明せよ。

解答A

  • 手順1 $36\ \mathrm{km/h}$ は「$1$ 時間あたり $36\ \mathrm{km}$」の意味。
  • 手順2 $\mathrm{km}\to\mathrm{m}$ は $\dfrac{1000\ \mathrm{m}}{1\ \mathrm{km}}$、$\mathrm{h}\to\mathrm{s}$ は $\dfrac{1\ \mathrm{h}}{3600\ \mathrm{s}}$ を掛ける。どちらも値は $1$ なので、掛けても量は変わらない。

$$36\ \frac{\mathrm{km}}{\mathrm{h}}\times\frac{1000\ \mathrm{m}}{1\ \mathrm{km}}\times\frac{1\ \mathrm{h}}{3600\ \mathrm{s}}=36\times\frac{1000}{3600}\ \frac{\mathrm{m}}{\mathrm{s}}$$

  • 手順3 $\mathrm{km}$ と $\mathrm{h}$ が約分で消え、残る単位は $\mathrm{m/s}$。求められた単位と一致するので換算の向きは正しい。
  • $\dfrac{1000}{3600}=\dfrac{1}{3.6}$ なので $36\div 3.6=10$。
  • **「$3.6$ で割る」の正体** $3.6=\dfrac{3600}{1000}$、すなわち「時間の換算数 $3600$ ÷ 長さの換算数 $1000$」。丸暗記ではなく毎回この分数から出せるようにしておく。逆向き($\mathrm{m/s}\to\mathrm{km/h}$)なら $3.6$ を掛ける、と迷わず決められる。
  • 答え $10\ \mathrm{m/s}$。$3.6=3600/1000$ より。

例題B(受験・実戦)

力の単位 $\mathrm{N}$ を SI 基本単位で表せ。さらにばね定数 $k$ の単位を求め、単振動の周期 $T=2\pi\sqrt{m/k}$ が次元的に正しいことを確かめよ。

解答B

  • **$\mathrm{N}$ の分解** 運動方程式 $F=ma$ より、$F$ の単位は(質量の単位)×(加速度の単位)。

$$[\,\mathrm{N}\,]=\mathrm{kg}\times\frac{\mathrm{m}}{\mathrm{s^2}}=\mathrm{kg\cdot m/s^2}$$

  • ばね定数 フックの法則 $F=kx$ より $k=F/x$ なので

$$[\,k\,]=\frac{\mathrm{kg\cdot m/s^2}}{\mathrm{m}}=\mathrm{kg/s^2}$$

  • 周期の検算 $2\pi$ は無次元なので無視してよい。根号の中身の単位は

$$\frac{[\,m\,]}{[\,k\,]}=\frac{\mathrm{kg}}{\mathrm{kg/s^2}}=\mathrm{s^2}$$

  • $\sqrt{\mathrm{s^2}}=\mathrm{s}$ となり、周期の単位 $\mathrm{s}$ と一致する。式は次元的に正しい。
  • ここで仮に $T=2\pi\sqrt{k/m}$ と覚え違えていれば、単位は $\mathrm{s^{-1}}$ となって周期になり得ない。公式のうろ覚えをその場で潰せるのが次元解析の実戦価値である。
  • 答え $\mathrm{N}=\mathrm{kg\cdot m/s^2}$、$k$ の単位は $\mathrm{kg/s^2}$($=\mathrm{N/m}$)。$\sqrt{m/k}$ の単位は $\mathrm{s}$ で周期と一致する。

演習(自力再現)

$(1)$ 密度の単位を SI 基本単位で答えよ。

$(2)$ 縦 $2.5\ \mathrm{cm}$、横 $4.20\ \mathrm{cm}$ の長方形の面積を、有効数字を考えて答えよ。

$(3)$ $12.3\ \mathrm{cm}+4.567\ \mathrm{cm}$ を有効数字を考えて答えよ。

解答

  • $(1)$ 密度は $\dfrac{質量}{体積}$ なので $\dfrac{\mathrm{kg}}{\mathrm{m^3}}=\mathrm{kg/m^3}$。
  • $(2)$ 積は $2.5\times 4.20=10.5$。掛け算なので桁数の少ない方に合わせる。$2.5$ が2桁、$4.20$ が3桁だから答えは2桁。$10.5\to 11$。よって $11\ \mathrm{cm^2}$。
  • $(3)$ 和は $16.867$。足し算は桁数ではなく位で合わせる。$12.3$ は小数第1位まで、$4.567$ は小数第3位まで。粗い方の小数第1位に合わせて $16.867\to 16.9$。よって $16.9\ \mathrm{cm}$。
  • $(2)$ と $(3)$ で規則が違うことがこの回の核心。掛け割りは「桁数」、加減は「位」。$(3)$ を「2桁だから $17$」とするのが最頻出の誤り。
  • 答え $(1)\ \mathrm{kg/m^3}$ $(2)\ 11\ \mathrm{cm^2}$ $(3)\ 16.9\ \mathrm{cm}$

落とし穴(減点パターン)

  • $\mathrm{km/h}$ と $\mathrm{m/s}$ を混在させたまま公式に代入する(換算は代入に済ませる)
  • 電卓の表示をそのまま写して有効数字を無闇に増やす(測っていない桁を書くのは誤りの主張になる)
  • 加減にも「桁数の少ない方」を適用する(加減はで合わせる)
  • $0.0120$ の有効数字を2桁と数える(末尾の $0$ は有効なので3桁)
  • 次元が合わない式を書いたまま先へ進む(例:$v=at^2$ は左辺 $\mathrm{LT^{-1}}$、右辺 $\mathrm{LT}$ で不一致)

到達チェック(完璧の条件)

  • ゴールを何も見ずに言える
  • $3.6$ という数字を暗記に頼らず換算分数から導ける
  • $T=2\pi\sqrt{m/k}$ の次元検算を白紙で再現できる
  • 掛け割りと加減で有効数字の規則が違うことを、例つきで説明できる
  • 確認クイズで合格点(4/5以上)

次へ

次は ME-PH-02。本単元の到達チェックをすべて満たしてから進む。


補助

台本(12ブロック)を見る

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台本 ME-PH-01

構成(12ブロック)

  1. フック(なぜ今この単元か)
  2. ゴール提示
  3. 受験での位置づけ
  4. 前提チェック
  5. ポイント3つ
  6. 定義
  7. 手順ウォークスルー
  8. 例題A(標準)
  9. 例題B(受験)
  10. 演習
  11. 落とし穴
  12. 到達チェック・次単元

注意

  • 本文(lessons/ME-PH-01.md)に準拠。創作で範囲を広げない。
  • 計算は声に出して手順を言う。
  • ブランド名は Medvance のみ。

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