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高校物理(受験)

無料公開動画・PDF・音声あり18力学の基礎

ME-PH-02 · 位置・変位・速度・加速度

変位と道のり、平均と瞬間、速度と加速度をそれぞれ区別し、v-t グラフから加速度と変位を読み取れる

前提: ME-PH-01

STEP 1

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STEP 5

このPartのポイント

到達ゴール

変位と道のり、平均と瞬間、速度と加速度をそれぞれ区別し、v-t グラフから加速度と変位を読み取れる

上のゴールを意識して、動画・教材PDFで手順を再現してください。

目安 18分 · 章: 力学の基礎

STEP 6

位置・変位・速度・加速度

授業後に解いて、前提の穴を確認してください。解答は開いて確認できます。

  1. 東へ $12\ \mathrm{m}$ 進んだ後、西へ $12\ \mathrm{m}$ 戻った。所要時間は $8.0\ \mathrm{s}$。変位・道のり・平均速度・平均の速さを求めよ。

    解答を見る

    変位 $0$、道のり $24\ \mathrm{m}$、平均速度 $0$、平均の速さ $3.0\ \mathrm{m/s}$ — 出発点に戻ると変位は0になるので平均速度も0。しかし実際に動いているので平均の速さは0ではない。両者が別物であることが最もはっきり出る場面。

  2. 速度が $-8.0\ \mathrm{m/s}$、加速度が $+2.0\ \mathrm{m/s^2}$ の物体について正しいものはどれか。

    • A.速度と加速度が逆向きなので減速している
    • B.加速度が正なので加速している
    • C.速度が負なので減速している
    • D.加速度が正なので速度もやがて必ず正になり、その間ずっと加速している
    解答を見る

    速度と加速度が逆向きなので減速している — 加速・減速は符号の組み合わせで決まる。同符号なら加速、異符号なら減速。加速度の符号だけを見る判断は誤り。

  3. $v\text{-}t$ グラフについて、傾きと面積はそれぞれ何を表すか。

    • A.傾きは加速度、面積は変位
    • B.傾きは変位、面積は加速度
    • C.傾きは速度、面積は道のり
    • D.傾きは加速度、面積は道のり
    解答を見る

    傾きは加速度、面積は変位 — 面積が変位を表すのは $x=v_0t+\frac12at^2$ を図形的に言い換えたもので、長方形が $v_0t$、三角形が $\frac12at^2$ に対応する。

  4. $t=0$ で $4.0\ \mathrm{m/s}$、$t=5.0\ \mathrm{s}$ で $14\ \mathrm{m/s}$ に一定の割合で増加した。加速度と、その間の変位を求めよ。

    解答を見る

    加速度 $2.0\ \mathrm{m/s^2}$、変位 $45\ \mathrm{m}$ — $a=(14-4.0)/5.0=2.0$。変位は台形の面積で $\frac{4.0+14}{2}\times 5.0=45$。公式 $x=v_0t+\frac12at^2=20+25=45$ とも一致する。

  5. 鉛直に投げ上げた物体が最高点に達した瞬間、速度と加速度はそれぞれいくらか。

    解答を見る

    速度は $0$、加速度は $9.8\ \mathrm{m/s^2}$(鉛直下向き)で $0$ ではない — 速度が0でも加速度は0ではない。加速度が0なら速度は変化せず、物体は最高点に留まり続けることになってしまう。

STEP 7

授業本文

ME-PH-02 位置・変位・速度・加速度

  • ブランド: Medvance(医学部・難関大受験)
  • 講座: 基礎講座
  • 科目: 高校物理(受験)
  • 章: 力学の基礎
  • 目安: 18分
  • 前提: ME-PH-01
  • 次: ME-PH-03

今日のゴール

変位と道のり、平均と瞬間、速度と加速度をそれぞれ区別し、$v\text{-}t$ グラフから加速度と変位を読み取れる

受験での位置づけ

力学のすべての公式が、ここで定義した量の上に乗っている。「変位と道のりの違い」「加速度の符号と加速・減速の関係」の2点を曖昧にしたまま進むと、等加速度運動でもエネルギーでも同じ場所で失点し続ける。定義そのものが問われる設問も多い。

攻略の方針

すべての量に向き(符号)を付けて扱う。まず正の向きを決めて図に書き込むこと。符号を決めずに大きさだけで計算し始めると、往復運動や減速の場面で必ず破綻する。

前提チェック

  • ME-PH-01 の到達チェックを満たしている(単位換算と有効数字)

この回のポイント

  • 変位は向きを持つ量(ベクトル)、道のりは向きを持たない量(スカラー)
  • 平均速度 $=\dfrac{変位}{経過時間}$、平均の速さ $=\dfrac{道のり}{経過時間}$ で別物
  • 瞬間速度は $x\text{-}t$ グラフの接線の傾き
  • 加速度は $v\text{-}t$ グラフの傾き、変位は $v\text{-}t$ グラフの面積
  • 加速度が正でも減速することがある(速度と加速度が逆向きなら減速)

定義・用語

変位

はじめの位置から終わりの位置へ向かうベクトル量。$x_1$ から $x_2$ へ移動したとき $\Delta x=x_2-x_1$ で与えられる。途中どんな経路をたどったかに一切依存しない点が道のりとの決定的な違いで、出発点に戻れば移動距離がどれだけ長くても変位は $0$ になる。

加速度

速度の変化率。$a=\dfrac{\Delta v}{\Delta t}$ で定義され、単位は $\mathrm{m/s^2}$。「速さが変わること」ではなく「速度(向きを含む)が変わること」を表すため、等速円運動のように速さが一定でも加速度は $0$ でない場合がある。

核となる手順(答案でこの順)

  1. 正の向きを決め、図に矢印で書き込む
  2. 位置・速度・加速度をすべて符号つきで表す
  3. 変位は $\Delta x=(後の位置)-(前の位置)$ で計算する
  4. 平均速度は変位を経過時間で割る(道のりで割らない)
  5. グラフが与えられたら、傾きは加速度、面積は変位と読む

例題A(標準・型の確認)

物体が東へ $5\ \mathrm{m}$ 進み、続いて西へ $8\ \mathrm{m}$ 進んだ。全体の所要時間は $4.0\ \mathrm{s}$ である。

$(1)$ 変位 $(2)$ 道のり $(3)$ 平均速度 $(4)$ 平均の速さ をそれぞれ求めよ。

解答A

  • 手順1 東向きを正とする。すると東へ $5\ \mathrm{m}$ は $+5\ \mathrm{m}$、西へ $8\ \mathrm{m}$ は $-8\ \mathrm{m}$。
  • $(1)$ 変位は符号つきで足す。

$$\Delta x=(+5)+(-8)=-3\ \mathrm{m}$$

  • 負号は西向きを意味するので、**西向きに $3\ \mathrm{m}$**。
  • $(2)$ 道のりは実際に動いた長さの合計で、向きを考えない。

$$5+8=13\ \mathrm{m}$$

  • $(3)$ 平均速度は変位を時間で割る。

$$\bar{v}=\frac{-3}{4.0}=-0.75\ \mathrm{m/s}\quad(西向きに\ 0.75\ \mathrm{m/s})$$

  • $(4)$ 平均の速さは道のりを時間で割る。

$$\frac{13}{4.0}=3.3\ \mathrm{m/s}$$

  • 決定的な違い $(3)$ と $(4)$ は数値も意味も違う。極端な例として、出発点に戻ってくる往復運動では変位が $0$ なので**平均速度は $0$ になるが、実際に動いている以上平均の速さは $0$ ではない**。「平均の速さ」を問われて平均速度を答える誤答が非常に多い。
  • 答え $(1)$ 西向きに $3\ \mathrm{m}$ $(2)$ $13\ \mathrm{m}$ $(3)$ 西向きに $0.75\ \mathrm{m/s}$ $(4)$ $3.3\ \mathrm{m/s}$

例題B(受験・実戦)

ある物体の速度が、$t=0$ で $2.0\ \mathrm{m/s}$、$t=4.0\ \mathrm{s}$ で $10\ \mathrm{m/s}$ まで一定の割合で増加した。

$(1)$ 加速度を求めよ。 $(2)$ この $4.0\ \mathrm{s}$ 間の変位を、グラフの面積と公式の両方で求めて一致を確かめよ。

解答B

  • $(1)$ 加速度は $v\text{-}t$ グラフの傾きにあたる。

$$a=\frac{\Delta v}{\Delta t}=\frac{10-2.0}{4.0-0}=2.0\ \mathrm{m/s^2}$$

  • $(2)$ 面積で求める $v\text{-}t$ グラフは $(0,\,2.0)$ と $(4.0,\,10)$ を結ぶ直線なので、囲む図形は上底 $2.0$・下底 $10$・高さ $4.0$ の台形になる。

$$\Delta x=\frac{2.0+10}{2}\times 4.0=24\ \mathrm{m}$$

  • 公式で求める 等加速度直線運動の式 $x=v_0t+\dfrac12at^2$ に代入する。

$$x=2.0\times 4.0+\frac12\times 2.0\times 4.0^2=8.0+16=24\ \mathrm{m}$$

  • 一致した。$v\text{-}t$ グラフの面積が変位を表すことは、この公式そのものを図形的に言い換えたものにすぎない。台形の面積を「長方形 $v_0t$ + 三角形 $\frac12 at^2$」に分けると、公式の2項とそのまま対応する。
  • 実戦上の価値 グラフが折れ線で与えられ、公式が直接使えない問題では面積で解くのが最短になる。逆に数値だけ与えられたら公式を使う。どちらでも解けるようにしておくこと。
  • 答え $(1)\ 2.0\ \mathrm{m/s^2}$ $(2)$ どちらの方法でも $24\ \mathrm{m}$

演習(自力再現)

$(1)$ $x\text{-}t$ グラフが時間軸に平行(水平)なとき、その物体の速度はいくらか。

$(2)$ $v\text{-}t$ グラフが水平で $v=6.0\ \mathrm{m/s}$ の一定値をとるとき、加速度と、$5.0\ \mathrm{s}$ 間の変位を求めよ。

$(3)$ 速度が $-6.0\ \mathrm{m/s}$、加速度が $+2.0\ \mathrm{m/s^2}$ の物体がある。$3.0\ \mathrm{s}$ 後の速度を求め、この間に速さが増えたか減ったか答えよ。

解答

  • $(1)$ $x\text{-}t$ グラフの傾きが速度である。水平なら傾きが $0$ なので**速度は $0$**(静止している)。位置が変化していないのだから当然である。
  • $(2)$ $v\text{-}t$ グラフの傾きが加速度なので、水平なら**加速度は $0$**。変位は面積(長方形)で

$$\Delta x=6.0\times 5.0=30\ \mathrm{m}$$

  • $(3)$ 速度の式に代入する。

$$v=v_0+at=-6.0+2.0\times 3.0=0\ \mathrm{m/s}$$

  • 速さは速度の大きさ $|v|$ なので、$6.0\ \mathrm{m/s}\to 0\ \mathrm{m/s}$ と減った
  • ここが核心 加速度は $+2.0$ と正なのに減速している。加速度の符号だけでは加速か減速かは決まらない。 判定基準は次のとおり。

- 速度と加速度が同じ符号 → 速さが増える(加速)

- 速度と加速度が逆の符号 → 速さが減る(減速)

  • 「加速度が正だから加速」と機械的に判断するのが最頻出の誤りで、鉛直投げ上げ(ME-PH-04)でそのまま失点につながる。
  • 答え $(1)\ 0$ $(2)$ 加速度 $0$、変位 $30\ \mathrm{m}$ $(3)\ 0\ \mathrm{m/s}$、速さは減った

落とし穴(減点パターン)

  • 変位と道のりの混同 往復すると変位は小さく($0$ にも)なるが、道のりは動いた分だけ増える
  • 平均速度と平均の速さの混同 割るものが変位か道のりかで別の量になる
  • 加速度の符号だけで加速・減速を判断する 速度との符号の組み合わせで決まる
  • **最高点や折り返し点で加速度も $0$ とする** 速度が $0$ になっても加速度は $0$ とは限らない
  • **$v\text{-}t$ グラフの傾きを変位と読む** 傾きは加速度、面積が変位
  • グラフが時間軸より下にある部分の面積を足し忘れる 負の変位として符号つきで加える

到達チェック(完璧の条件)

  • ゴールを何も見ずに言える
  • 変位と道のり、平均速度と平均の速さの違いを、往復の例で説明できる
  • $v\text{-}t$ グラフの傾きと面積が何を表すか即答できる
  • 「加速度が正でも減速する」場合を自分で例に作れる
  • 確認クイズで合格点(4/5以上)

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次は ME-PH-03。本単元の到達チェックをすべて満たしてから進む。


補助

台本(12ブロック)を見る

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台本 ME-PH-02

構成(12ブロック)

  1. フック(なぜ今この単元か)
  2. ゴール提示
  3. 受験での位置づけ
  4. 前提チェック
  5. ポイント3つ
  6. 定義
  7. 手順ウォークスルー
  8. 例題A(標準)
  9. 例題B(受験)
  10. 演習
  11. 落とし穴
  12. 到達チェック・次単元

注意

  • 本文(lessons/ME-PH-02.md)に準拠。創作で範囲を広げない。
  • 計算は声に出して手順を言う。
  • ブランド名は Medvance のみ。

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